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ところが、人間の脳波の動きを研究して、「快」 の程度を科学的に測定し始めた人がいる。しかも、これが通産省工業技術院の十年プロジェクトとなり、その研究がまさに終わったところなのだ。
吉田倫幸氏。四十六歳。肩書が長いのは、お役所だから、お許しいただきたい。通産省工業技術院生命工学工業技術研究所人間情報部生理情報研究室長。生理心理学と人間工学が専門という。 筑波研究学園都市の研究室で、吉田氏に早速会った。
― まず、脳波というのはどのようなものか、教えてもらえませんか。
「人間の脳の中には首二十億とも百五十億とも言われる神経細胞があります。もちろん細胞ひとつひとつが勝手に動いているのではなくて、集団でまとまって動いているのですが、何か外部から刺激が入ってくると、細胞が反応して、電気を発する。専門的に言うと、細胞の外と内との電位が変わって、電気的な情報を発する」
― 要するに、モールス信号のようなものを発するということですか。
「ま、そうです。脳は何層かの膜に包まれているし、骨もあれば皮膚もある。だから、電気的な情報は表面に達するまでにどんどん弱くなり、百万分の一ボルトくらいになってしまう。それを増幅して、目に見えるようにするような技術ができている。ちょうどテレビの天気予報で雲の動きを時間的に眺めることができるように、電位の変化を波として観察できる。これが脳波の観察です」 |
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吉田倫幸先生 プレジデント2001年2月号より |
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1953年、東京都生まれ。I978年東京教育大学教育学部心理学科卒業。1987年筑波大学大学院より教育学博士号取得。1988年通産省工業技術院製品科学研究所に入所。
■90年基礎人間工学部生理情報工学課主任研究官。1998年より現馳 この間、法政大学、東京科学技術大学、筑波大学等で講師を務め、民間企業32社の研究技術指導、5社との共同研究に携わる。1998年、味と匂学会の臭覚部門で高砂研究奨励賓受賓。2000年、日本生理心理学会より日本生理心理学会優秀論文受賞。専門は生理心理学、人間工学、大脳生理学。研究テーマは精神ストレスの評価、快適性、感性評価、視覚疲労評価、および評価機器の開発など。著書に『快適科学』『心理学フロンティア』『環境睡眠学』などがある |
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