プレジデント記事 その2 | エルシー電機のヒーリングスピーカー

サイエンス・学術論文

プレジデント記事・その2

プレジデント2000年2月号掲載

サイエンス・学術論文

2000年2月号のプレジデント掲載記事、水木楊さんのサイエンステクノロジーコーナーで、吉田先生とその研究が紹介されました。。 エルシースピーカを使用して幼稚園児の脳への影響を論文にしてくださった吉田先生は、脳波と快・不快の関係を明らかにされました。吉田先生のお話の中に、「快のときは、脳波の周期にリズム性がでる。不快のときはリズム性が崩れてしまう...<後略>」といわれています。これは私の勝手な解釈ですが、再現性の高いスピーカから再生される音は、ゆがみがないために綺麗な波とリズムを再現することができる。これが幼稚園児の脳に好影響をあたえる結果を生み出すのかもと感じました。
最近癒しグッズが氾濫しておりますが、吉田先生の研究により、より本物が厳選されていく時代となるかもしれません。

※下記の記事の詳細は、プレジデント2000年2月号の他、書籍『日本発トップを切る科学者たち』水木楊著チクマ秀版社に掲載されています。

さいえんす&テクノロジー ~脳波から「快・不快」を科学的に分析する

サイエンス・学術論文

吉田倫幸先生プレジデント2001年2月号より

1953年、東京都生まれ。I978年東京教育大学教育学部心理学科卒業。1987年筑波大学大学院より教育学博士号取得。1988年通産省工業技術院製品科学研究所に入所。
■90年基礎人間工学部生理情報工学課主任研究官。1998年より現馳この間、法政大学、東京科学技術大学、筑波大学等で講師を務め、民間企業32社の研究技術指導、5社との共同研究に携わる。1998年、味と匂学会の臭覚部門で高砂研究奨励賓受賓。2000年、日本生理心理学会より日本生理心理学会優秀論文受賞。専門は生理心理学、人間工学、大脳生理学。研究テーマは精神ストレスの評価、快適性、感性評価、視覚疲労評価、および評価機器の開発など。著書に『快適科学』『心理学フロンティア』『環境睡眠学』などがある

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現代社会は情報に溢れ、刺激に富んでいるが、それが人間を幸せにするという保証はどこにもない。むしろ、刺激はストレスを高め、心身を疲労させるおそれすらある。と言っても、現代社会は人間が作ってしまったものなのだし、そこに生きる選択をしているのだから、仕方がない。いまさら山の奥に入って、一人暮らしをするわけにもいかないのだ(そういう趣味の人もいるにはいるだろうが)。

だから、人々はいっそう強く安らぎとか心地良さを求める。その需要に応えて、「快」を売る商品がまた溢れる。「癒し」グッズの氾濫だ。しかし、人の快・不快を測定する客観的な物差しは、これまでなかった。「快」を売る者、買う者の主観でしかなかった。極端なことを言えば、不快な「快」を買わされるケースすらあったのではないか。

ところが、人間の脳波の動きを研究して、「快」の程度を科学的に測定し始めた人がいる。しかも、これが通産省工業技術院の十年プロジェクトとなり、その研究がまさに終わったところなのだ。

吉田倫幸氏。四十六歳。肩書が長いのは、お役所だから、お許しいただきたい。通産省工業技術院生命工学工業技術研究所人間情報部生理情報研究室長。生理心理学と人間工学が専門という。筑波研究学園都市の研究室で、吉田氏に早速会った。

―まず、脳波というのはどのようなものか、教えてもらえませんか。

「人間の脳の中には首二十億とも百五十億とも言われる神経細胞があります。もちろん細胞ひとつひとつが勝手に動いているのではなくて、集団でまとまって動いているのですが、何か外部から刺激が入ってくると、細胞が反応して、電気を発する。専門的に言うと、細胞の外と内との電位が変わって、電気的な情報を発する」

― 要するに、モールス信号のようなものを発するということですか。

「ま、そうです。脳は何層かの膜に包まれているし、骨もあれば皮膚もある。だから、電気的な情報は表面に達するまでにどんどん弱くなり、百万分の一ボルトくらいになってしまう。それを増幅して、目に見えるようにするような技術ができている。ちょうどテレビの天気予報で雲の動きを時間的に眺めることができるように、電位の変化を波として観察できる。これが脳波の観察です」

―快・不快の問題ですが、例えば不快になると脳波はどのような波を描くのでしょう。

「その前に、まず快・不快をつかさどる脳の部分がどこかをお話ししましょう。それは、ここです」吉田氏は人間の脳を真上から眺めた角度の図を出して、その顔に近い部分を指した。前頭部である。「ここは脳の中で一番最後に発達してきた部分で、人間の人間たる特徴を作り出しています。快・不快を感じ、感情を醸成し、物事を計画して、意思決定する。この部分は複雑で、研究しなければならないことがまだたくさんあるのですが、それで も、最近はCT(コンピュータ断層撮影法)とかMRI(核磁気共鳴映像法)などの、脳を画像化して機能を調べる技術が出てきて、いろいろなことが分かってきましてね。前頭部でも、左と右で役割が違うということが掴めてきたのです」

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―左というのは、自分から見てですね。

「そうです。左脳は、快感の程度に応じて脳波のリズムが変化している。不快感は、右脳でそれが起こっている事態です。また、快・不快だけではなく、もうひとつの役割分担がありまして、例えば右脳は興奮状態と、左脳は鎮静状態と、それぞれ対応して脳波のリズムが変化しています」

吉田氏は一枚の楕円形の図を示した。横軸が興奮-鎮静、縦軸が快-不快。だから、四つの組み合わせがあることになる。

1「快」で「興奮」
2「快」で「鎮静」
3「不快」で「鎮静」
4「不快」で「興奮」

「心地が良いとか、快適とかいう感覚は、このうち『快』で『興奮』、あるいは『鎮静』なんですね。良い音を聴かせたり、うっとりするような匂いを嗅がせたりすると、左の脳が反応する。良い音というのは、小川のせせらぎの音や、鳥のさえずり、あるいはゆったりとした古典音楽などですね。

言葉で表すと、鎮静ではなく、興奮して快のときは、『わくわく状態』ですが、この場合は相対的に右脳の活性が高まっている。また、興奮して不快のときは『いらいら』状態で、左と右のリズムが崩れる。人間が理性で物事を考えるときは、左の脳がとくに活性化します」

-脳の活動が活性化しているというのは、どうやって調べるのですか。

「前頭部にセンサーを付けて調べると、右左の脳の活動状況が分かります。脳波の周波数の波が変わってくる。快と不快のときでは、パターンがはっきりと違ってくるのです」

「センサーというのは、オウム真理教の信徒がつけているような物か」と尋ねたら、吉田氏はからからと笑った。

「あれは、脳波を測っているわけじやなくて、頭皮を刺激しているわけですから、全然インチキです。実は、ずっと前ですが、そのオウムが脳波を測ってくれと頼んできたことがあるのですよ」

-へぇ-、オウムが。

「地下鉄サリン事件が起きるかなり前のことでしてね。当時の上司とどうしようかって話をしたのですが、宗教団体だから、止めとこうという話になって断ったのです。いまとなってみれば、断って本当に良かった」

-脳波には、アルファ波、ベータ波というのがあるという話を開いたことがありますが、脳波の周波数が変わるというのは、あれが変わるのですか。

「アルファ波というのは、最初に発見されたから、そう呼ぶのです。一九二九年にドイツの臨床医のハンス・ベルガーという人が発表した。動物の脳から波が出ているというので、人間にも電極を置いて調べてみたら、目を閉じている状態で、何かリズムのある波が出てきた。およそ一〇ヘルツくらいの周波数だった。これをアルファ波と名づけたのです。目を開けさせてみたら、こんどはギザギザの波が現れた。これは一四ヘルツから二五ヘルツくらい。そこでこれをベータ波と名づけたのです。さらに眠くなってくると、四ヘルツから七ヘルツくらいのゆっくりした波になる。これがシータ波。もっと進んで眠ってしまうと、三、四ヘルツより低くなる。これがデルタ波というわけです。要するに、アルファ、ベータ、シータ、デルタというのは、人間がどれだけ覚醒しているかを調べるために分類した波です。
その後、処理技術が進んでくると、刺激を与えたときにどういう反応を示すかを調べたいということになった。ところが、ぼんと刺激を与えたときに出る波は、アルファとかベータとか自発的に活動している波に比べると、非常に電位が小さい。非常に小さいが、信号であることには変わりはないし、自発的に出現している波を分析から取り除けば、把握できます。それを『事象関連電位』と呼ぶことにしました」

-その事象関連電位ですが、アルファ波とかベータ波とは違った活動をしているのが分かったとしても、それが快なのか、不快なのかはどうして分かったのですか。

「装置を頭に付け、何か刺激を与え、良い気分か悪い気分かを百点満点の採点方式で、つけてもらいます。あまりごたごたとは開きません。単純な質問にして、たくさんのサンプル数を集める。すると、前頭部の右とか左の反応が、気分の善し悪しに対して、ちゃんと反応しているのが分かります。
人間が快、不快いずれを感じているかを調べる一番いい方法は、匂いですね。良い匂いはたとえば、ラベンダーとかジャスミンとかで、悪い匂いは畜産臭とかです。汗の臭いを作るイソキソ酸。これらを嗅がせる」

-でも、人によっては、匂いによって、良い悪いが分かれるのではないですか。

「そのとおりです。そこが面白い。たとえば、いまの畜産臭ですが、欧州の人々は臭いと思っていないんですね。一方、日本人の場合も、山で育った人は磯の匂いが臭いと言う人が多い。海辺の人は懐かしいって言うのにね。それに、匂いを嗅がせると同時に映像を見せると、また反応が違ってくる。金木犀の匂いは自然の風景の映像と一緒に嗅がせると、『良い』になるのですが、トイレの映像と結びつけると、必ずしも『良い』とは評価されない」

-快のときと、不快のときとは、脳波はどのように違った動きを示すのですか。

「快のときは、脳波の周期にリズム性が出る。不快のときは、リズム性が崩れてしまうのです。装置を頭に付けてもらって、何か面倒な作業をしてもらう。作業をする前と最中とでは、明らかに違ってくる。作業を終えて、安静にしてもらうと、一定のリズムになる」

-どんなリズムになるのですか。

「快であるほど、ゆらぎのあるリズムになる。緊張して不快になると、脳波の周期にリズムが少なくなっていく」

正直に記すと、快のときにはリズム性が高まるという吉田氏の説明を理解するまでには、相当の時間を必要とした。その間、1/fゆらぎとか、昔懐かし数学のコサインとか、確率密度とか、スペクトル解析とか、専門的な言葉が次々と飛び出し、それこそ根掘り葉掘り開いたのである。
ここで、その説明をしたら、とても紙幅が足りなくなってしまうから、読者の皆様には「快のときの自分は、脳波がゆらぎのあるリズムを描いている」とだけ理解しておいていただきたい。詳しく専門的なことを知りたい方は、吉田氏が筆者のひとりになっておられる『快適科学』(海文堂出版)の一〇七ページ、第五章「1/fゆらぎと快適性」をご参照あれ・・・・・・・<後略>

本のご紹介

サイエンス・学術論文

上記の記事の詳細は、2001年2月号プレジデント及び、右写真の水木楊さんの本の中に全文紹介されています。ご興味のある方は是非ご覧ください!

『【日本発】 トップを切る科学者たち』
水木楊著 チクマ秀版社
四六判上製定価本体1,600円(税別)

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